Blood Tear


虚ろな瞳を開けたままの彼女の髪を掴み鉄の棒から引き抜くとクレアは彼女を投げ捨てる。


彼女が飛んでいった先にはマットの姿があり、壊れた彼女は彼の前に転がった。



マットを睨むクレアの瞳は血のように赤く染まり、掌の血を舐めとる仕草は恐怖を覚える。




 「これはマズい……カンナギ!撤退だ!」


ずり落ちた黒縁眼鏡を押し上げ言うとアリューを掴み急いで姿を消す。




 「うぅ……」


突き飛ばされ家屋に突っ込んだナギはマットの声に意識を取り戻す。


頭を振って覚醒すると、自分の下敷きになっているカンナの姿が目に入った。




 「カナ姉!しっかり!」


意識を失う彼女を抱き起こし揺さぶるが目を開けない。



心配そうに抱き締めていると、鋭い刃が瞳に映る。



顔を上げると、刀の刃先を2人に向け冷たく見下ろすジークと目が合った。




 「クッ……今度会った時は手加減しないからな!」


悔し紛れに言葉を吐くと、気絶するカンナを抱き締め姿を消す。



見下ろすジークは止める事なく2人を見逃すのだった。










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