Blood Tear
一階に降りるとレグルから離れソファーへ駆け寄る彼女。
其処に横たわるのは、切り裂かれ血まみれのローブを身に纏う、プラチナブロンドの髪をした女性であった。
シェイラは苦しそうな顔をして眠る女性の様態を調べるが、決して治療を施そうとはしなかった。
「…どう思う?」
「どうと言われましても……」
膝をつくシェイラの後ろに待機するレグルは腕を組み尋ねるが、シェイラは言葉を詰まらせ女性の頭をそっと撫でる。
そして振り返りレグルスを見つめると、躊躇いながらも口を開いた。
「…彼女、人間ではありませんよ……」
その言葉を耳にした瞬間、時が止まったように音が消え去った。
彼は暫く目を瞑った後、そうか…と小さく呟いた。