風に恋して:番外編
ベッドサイドのランプの明かりに照らされて、2つの影がゆらりと揺れる。

静かな部屋。リアが熱く吐息を漏らしてレオの首に腕を回す。

シーツの中で重なる2人の肌は、もう随分長い間溶け合っている。ゆっくりと、レオがリアの白い肌に手を、指を、唇を……滑らせて。

時折2人に合わせてベッドが微かに揺れるけれど、それはとても緩やかで海を漂うような、そんな時間が流れていく。

「レオ……」
「どうした?つらいか?」

レオがリアの頬を指でなぞって問うと、リアが首を横に振る。

「もっと、近くにきて……」
「これ以上?」

リアの甘えた声にフッと笑って少しだけ距離を縮めた。

「ルカが、起きるんじゃないのか?」

レオがそっとリアの膨らみ始めたお腹を撫でる。元々、ゆっくりとお互いの熱を分け合うことが多かった2人。それが、更に緩やかな時間になって……それでも、満たされる気持ちは変わらない。むしろ、前よりも幸せな気持ちになる。

「んっ……もっと、ギュってしてほしい」

レオはリアの要望に答えて優しく身体を重ねた。なるべく体重をかけないように注意しながら上半身の隙間を埋めていき、ピタリと2人の肌が合わさる。
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