風に恋して:番外編
レオは熱い息を吐き出して、リアの頬に軽く口付けをした。

「悪い、大丈夫だったか?」
「ん……」

リアは優しくレオに微笑んでいて、レオも釣られてフッと笑みをこぼす。そして、首筋にそっとキスを落とすとリアはくすぐったいのかピクッとして肩を竦めた。

そのまま唇を胸元へと滑らせていく。リアの心臓の辺りに浮かぶ王家の紋章にチュッと音を立ててキスを落とすとリアが微かに声を漏らす。

「変わらないな、お前は」

レオはクスッと笑って、漏れた声を抑えるように口に当てたリアの手をそっと取って、ベッドに縫い付ける。

「そうやって恥かしがるところ。怖いのは、克服できたのか?」
「怖くないよ……レオのこと、好きだから」

素直に気持ちを伝えてくれるリアに、レオは軽くキスをして身体を隣に沈めた。

「レオ、いつも心配してる。私が怖がると思ってるの?」
「最初あれだけ怖がっていたんだ。心配にもなる」

レオが触れると、いつだってリアは怯えた表情をした。

「それはレオが強引に……」
「わかっている。だけど、早く慣れて欲しかった。あれでも我慢していた方だ。お前は俺の苦労を知らなさすぎる」

リアはそれに微かに笑って。

「うん……お母さんにもね、『レオ様だって、あなたを傷つけることはしないわ』って……言われ……たの…………」
「そうか……」

少しトロンとし始めたリアの頬をそっと撫でて、レオは思い出す。リアとの、初めての夜までの軌跡を――
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