風に恋して:番外編
「なるほどね。数年前に流行ってた、ちょっと変わった肺炎みたいなやつかな」
エレナの話を聞いたイヴァンは本棚の中の記録を探す。
「あぁ、これだ」
「へぇ……マーレにはない症例です」
そのページを開くと、エレナは真剣にそれを読んでいく。その間にイヴァンは薬の調合の用意をするために奥の部屋へと入った。
研究室は入り口を入ってすぐのスペースにクラドールの机や資料などが置いてあり、入り口とは反対の扉2つからそれぞれ研修室、調合室とつながっている。治療室――診察室――は研究室の隣の部屋だ。
「薬、調合するんですか?」
資料を読み終わったらしいエレナが扉から顔を出す。
「うん。呪文は普通の肺炎と同じで大丈夫。苦しいのは治ると思う。だけど、元の菌を殺さなきゃいけないから……薬も飲んでもらわないとダメなんだ」
「私もお手伝いします」
エレナは手際もかなり良く、作業はスムーズに進んでいった。だが、最後の仕上げの段階になったとき、エレナが手順を間違えそうになり、イヴァンは思わず彼女の手を取った。
「あ、待って。それはこっちと混ぜてから――」
すると、エレナはビクッとして手を引っ込める。顔が真っ赤になっていて、イヴァンも視線を逸らした。
「ごめん」
「あ、いえ、あ、あの……っ」
少し気まずい雰囲気になってしまい、イヴァンが困っていると――
エレナの話を聞いたイヴァンは本棚の中の記録を探す。
「あぁ、これだ」
「へぇ……マーレにはない症例です」
そのページを開くと、エレナは真剣にそれを読んでいく。その間にイヴァンは薬の調合の用意をするために奥の部屋へと入った。
研究室は入り口を入ってすぐのスペースにクラドールの机や資料などが置いてあり、入り口とは反対の扉2つからそれぞれ研修室、調合室とつながっている。治療室――診察室――は研究室の隣の部屋だ。
「薬、調合するんですか?」
資料を読み終わったらしいエレナが扉から顔を出す。
「うん。呪文は普通の肺炎と同じで大丈夫。苦しいのは治ると思う。だけど、元の菌を殺さなきゃいけないから……薬も飲んでもらわないとダメなんだ」
「私もお手伝いします」
エレナは手際もかなり良く、作業はスムーズに進んでいった。だが、最後の仕上げの段階になったとき、エレナが手順を間違えそうになり、イヴァンは思わず彼女の手を取った。
「あ、待って。それはこっちと混ぜてから――」
すると、エレナはビクッとして手を引っ込める。顔が真っ赤になっていて、イヴァンも視線を逸らした。
「ごめん」
「あ、いえ、あ、あの……っ」
少し気まずい雰囲気になってしまい、イヴァンが困っていると――