風に恋して:番外編
春らしい風が中庭に咲いた色とりどりの花を揺らしていく。

「ぱー!きゃははっ」

そんな優しい風に混じって吹く少し強めの風がルカのものだ。それを追いかける小さな渦はレオのもの。

リアはお気に入りの木の下に座って2人が遊ぶのを見つめていた。

ルカはどちらにも同じように懐いているようだけれど、遊ぶときはレオに相手をしてもらいたがる。

というのも、ルカがいつも風を使って遊ぶからだ。

水属性のリアが風を使えないことはルカも理解しているらしく、必ずレオのところへ行きたがる。

リアが水を使ってあやそうとしても、あまり効果はない。というか、興味が薄いようで……

「水、使えないのかな……?」

思わず呟いてみる。

今までルカが水を操っているところを見たことがない。ほとんどの時間をルカと過ごすリアが見たことないということは、使ったことがないのだと思う。

ルカは水属性と風属性のハーフ。それは間違いない。

ならば、どちらの属性も使えるはずだ。

使わないのは、使えないのか、それともただ興味の問題なのか……
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