【完】まりあ ~人魚姫の涙~
「…でもまだ、昔の方が可愛げがあったわよ。だって好きな人をただ見ているだけで良かった、おとなしい子だったんですもの…。でも今のあなたは、いただけないわね」
「はい?」
ガラステーブルの上に乗っていた黒いカバンの中に手を入れガサゴソと中をあさった後、私に嫌な笑みを向けながら手を取り出した。
手をギュッと握っている事から、何かを握り締めているのがすぐに分かった。
きっとカバンの中から何かを取り出したのだろう…。
一体、何を?
視線の先をずっと麗華さんの握られている手に向けていたら、フッと笑う声が聞こえた。