恋するマジックアワー





「ん……」

「あ、洸さん起きた?」



もぞもぞとベッドから顔を出した洸さん。
覗き込むと、ギョッとしたように飛び起きた。



「…………」

「洸さんずーっと寝てたよ」

「あー……ごめ……いま何時?」

「19時。ご飯食べるよね? はい、これ」



湯気の立ちのぼるお粥を差し出す。
洸さんはそれをしばらくジッと見つめると、ベッドから両手を出して受け取ってくれた。


「……いただきます」


ふぅふぅと念入りにレンゲに息を吹きかける洸さん。
大きな口を開けて、真っ白なお米が……。


「あち」

「ふふ。猫舌なんだね」

「……見てられると食いにくい」

「え?見てないよ」

「見てるわ。穴開くわ」

「見てない見てない」


と言いつつ、見つめてみる。
初めて見る、洸さんの弱ってる姿が新鮮だ。

ニコニコしてるわたしを呆れ顔で見やると、またふぅふぅとお粥に息を吹きかけた。


よかった。 もう、大丈夫そう。

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