恋するマジックアワー
◇
「ん……」
「あ、洸さん起きた?」
もぞもぞとベッドから顔を出した洸さん。
覗き込むと、ギョッとしたように飛び起きた。
「…………」
「洸さんずーっと寝てたよ」
「あー……ごめ……いま何時?」
「19時。ご飯食べるよね? はい、これ」
湯気の立ちのぼるお粥を差し出す。
洸さんはそれをしばらくジッと見つめると、ベッドから両手を出して受け取ってくれた。
「……いただきます」
ふぅふぅと念入りにレンゲに息を吹きかける洸さん。
大きな口を開けて、真っ白なお米が……。
「あち」
「ふふ。猫舌なんだね」
「……見てられると食いにくい」
「え?見てないよ」
「見てるわ。穴開くわ」
「見てない見てない」
と言いつつ、見つめてみる。
初めて見る、洸さんの弱ってる姿が新鮮だ。
ニコニコしてるわたしを呆れ顔で見やると、またふぅふぅとお粥に息を吹きかけた。
よかった。 もう、大丈夫そう。