恋するマジックアワー
「た、立花さん!?」
「っ!」
たっぷり洸さんに意識が飛んでいたその時、いきなり背後から名前を呼ばれて、心臓が飛び出しそうなくらい驚いた。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは……。
「まじか……、こんなことあんのかよ……」
え?
聞こえないんだけど……
目をまんまるにして、めちゃくちゃ気まずそうに頬を引きつらせたその男子に、なんとなく見覚えがあるようなないような……。
「あれ三嶋、同じクラスだったんだな」
そこへ現れたのは、朝練終わりの牧野。
牧野は少しの間をおいて、彼からわたしに視線を落とした。
みしま? ……三嶋……。
三嶋サトシ…………。
突然呼び出しがあって、それで……。
みんなの前で……。
『立花海さん……!俺と付き合ってくださいッ!』
あの時の人だ!
お、同じクラスなんだ……。