恋するマジックアワー(仮)

その日の夜

いつものようにお風呂を済ませ、リビングに入るとめずらしく洸さんがキッチンに立っていた。



「おかえりなさい」

「ただいま」



声をかけると、洸さんはすぐに顔を上げた。
たった今帰ってきたようで、まだスーツを身にまとっている。

洸さんの後ろを通り過ぎ、そのまま冷蔵庫を開けてミネラルウォーターを取り出した。


あれ?
なんか……。


違和感を感じて、振り返る。


「洸さん、お酒飲んでる?」

「え、わかる?」


ネクタイをグイと緩めながら少しのため息。

疲れてる?


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