恋するマジックアワー(仮)


無意識にため息をしていた事に気付き、慌ててフルフルと首を振った。

明日から学校も始まるし、すぐに慣れるよね。



自分に言い聞かせて、あたしはまたソファに腰を落とした。



それにしても……すごい古い家具。
年代物~……。

色々、大事に使ってるんだな。

古いけど、これってモダンって言うんだっけ。

統一された家具は、とてもオシャレだった。


ソファに手を滑らせる。

革製のそれは、冷たくて気持ちよかった。



そっと目を閉じると、どこからか風鈴の涼しげな音色が聞こえ、あたしを優しく誘う。





リーン
 リリーン



それは

あの幸せの鐘の音のような気がした。


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