だから、恋なんて。

「もしかして、もう結婚申し込まれたんですか?」

「……誰に」

「いや、だから、あの医者に?」

全く…榊まで、ほんとに何なのよ、一体。

盛大に溜息をついて席を立つと、食べ終えた榊も一緒に立ち上がる。

「あ…、あんまり時間ないですね」

トレイを持ったまま時計を確認する榊につられて壁にかかった時計に目をやる。

うわっ、ほんとに時間ないっ。

だいたい、昼休みに一時間はとれるなんて、看護師にはなかなかあり得ない。

今日だって気が付けば昼休憩の時間まで喰い込む業務で三十分ほどの休憩しかなかった。

足早にICUに向かう途中、午後からのことを考えて、やっぱりなんとなく気まずい気持ちになる。

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