だから、恋なんて。


「結婚って、色々あるなぁ…」

昼食を食べ終わって、お茶を啜りながらそう呟くと、隣で焼きそばを啜る榊が途端にムセ出す。

「ゴホッ、ゴホッ……なんですか、一体」

「まぁまぁ、まずは飲み込んで」

言いながらトントンと榊の背中を叩くと。

手を伸ばしてコップの水をゴクっと飲んでから、ようやく息を整える。

「そんな、ムセなくても…」

「美咲さんが結婚について考えてるなんて、ムセて当然ですよ」


あれから、千鶴が直人さんと話したかどうかはわからない。

それでも、お互い泣き笑いのような顔して別れて家に着いた後、「ありがとね」と書かれただけの短いメールを確認して。

少しは千鶴の助けになれたのかもしれず、踏み込んでよかったと思えた。

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