だから、恋なんて。
「で、ほんとのところはどうなんです?」
「……はい?」
ひとしきりテーブルの前菜は食べ尽したところで、キッチンからチンッとオーブンの軽快な音が鳴り、なにやら千鶴が仕込んであった料理ができたらしく。
美味しい明太子パスタが作れると豪語した医者と千鶴がキッチンに消えて、残された直人さんはズイッと私の正面に移動する。
えらく真剣なその表情に、言葉の意図はわからないでもないけれど、敢えてわからないフリをする。
「だから、結城先生とのことですよ」
「……直人さん、結構酔ってますね?」
誤魔化すために口にした言葉は、耳から首から真っ赤に染めている直人さんに対してあながち間違いでもない。
「すぐ赤くなるだけですって。それより、先生のことほんとはどう思ってるんです?」