だから、恋なんて。
「あっ!それじゃないです?コンプレックス」
「さっきの…夢の話?」
「そうですよ。青見先生の色気にコンプレックスを抱いてるから、夢に出てくるとか?」
色気にコンプレックスって…。
それって暗に私には色気がないって自分で思ってて、男のくせに色気のある青見先生に劣等感ってこと?
そりゃ自分が色気の塊とか思ってないけど、青見先生の色気を感じたこともない私がそんなことで夢にまで苦しめられる?
「いや~ないないっ!全部ないわ」って否定しようと思ったら、隣の榊はとっくに食器返却口まで行ってしまってる。
左腕の時計に目をやると、もうすでに休憩時間の大半がすぎてしまっている。
ぬるくなったお茶を飲み干し、慌てて食器を片づけて、榊の後を追った。