だから、恋なんて。
そんな安心しきって食事をしている私を、そっとしておいてくれない千鶴のお言葉。
「で、結城先生とはどうなの?」
「……どうなのって、別に」
「え?どうなのって、なんなんです?付き合ってるんですか?」
「ないないっ、付き合ってない」
「一歩、いやもうあと半歩くらいなんだけどねー。美咲が年甲斐もなく照れちゃって」
「年甲斐もなくって、なにさ。それに照れてもないっ」
「へー、美咲さんでも照れたりするんですね」
「テレるってなもんじゃないわよー。見てるこっちが恥ずかしくなるくらい赤くなったり青くなったり、忙しいったら」
「えーっ?それって、美咲さんがいいように振り回されてるってコト?」
首をかしげて上目づかいで私を見つめる雫の瞳の中にも好奇の色が見て取れる。
ちなみにこの間の明太子パーティの話は、会って最初の久しぶりの挨拶の後に「いやー、私と美咲は久しぶりじゃないのよー」なんて含みを持たせた千鶴によって呆気なく暴露されていて。