だから、恋なんて。
下半身の冷えが深刻的になってきたアラフォー世代として、本日の会場として四十路会会長?の千鶴が選んできたのは、掘りごたつ有りのおでん屋さん。
油の乗った若いころは物足りなさを感じたのかもしれないけど、消化不良を度々おこす胃袋にはちょうどいいあっさり感。
味噌をたっぷりつけたこんにゃくを口いっぱいに頬張った千鶴が、どうぞどうぞと言うそぶりで味噌をまわしてくれる。
「そんな一生懸命食べなくても横取りしませんって」
呆れたように言いながらも、いつものことだとクスクス笑う雫は変わり種のトマト。
雫っていつもちょっと変わったものを食べるというか、なんでも偏見なく食べられるというか……。
私みたいに固定観念の塊みたいなものには迂闊に手が出せないものをすんなり受け入れる。
かくいう私の前にはこれまた味噌がたっぷりの大根。
おでんといえば大根でしょ。
ちくわもたまごも、すじ肉だっていいけれど、やっぱり大根が安心できる。