だから、恋なんて。

こういう時の千鶴ってホントにしつこい。

私だって今まで何度となく陥落してきたから、雫の助けを求める視線に気付いて、ここは共同戦線をはることにする。

それはすなわち、千鶴を飲ませて飲ませて呑まれるまで接待することで。



「…寝ました、よね?」

「うん……寝てる」

お気に入りのヴィトンのバックを枕にして横になる千鶴の規則的な呼吸音を確認する。

酔っぱらい一歩手前だった千鶴は、あれからものの二十分ほどで「眠い」と呟いてゴロンと横になってしまった。

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