だから、恋なんて。

「……って、どういうコト?」

眠くて咀嚼までゆっくりな私の頭は、もう全然回っていない。

いつもなら一番に完食するのは私なのに。

適度に満たされてきたお腹のせいで、ここからちゃんと帰れるかどうかも自信がない。

そんな私を横目で見ながら千鶴が「チッ」と舌打ちする。

「全く……美咲は経験値ゼロの初心者だって言っといたのに」

「え?」

「あ、いやいや、こっちの話」

眠くて私が聞いてないと思っていたのか、手をパタパタ振って誤魔化される。

ってか、こっちの話ってどっちの話よ?

「思わせぶりっていうのが通じる相手じゃないですからね」

「でしょ?これだけわかりやすくしてもわかんないんだから」

「もうちょっとちゃんとレクチャーすれば良かったんじゃないです?」

「だね。私としたことが、シクったわ」

……二人が話してるのは私のことだろうか。……うん、私のことだろうね。

そりゃあ歳だけくって、恋愛偏差値の低い私ですけどね、そりゃあちょっと言い過ぎじゃないです?

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