だから、恋なんて。

あ~、これよね、この瞬間。

家で誰かが待ってて、ご飯もちょうど出来上がってて、お風呂入ったらすぐにご飯が食べられるって素晴らしいって思うんだよね。

…って、普通は逆なんだと思うけどさ。

大半の家庭では、妻が仕事していても、食事も子育ても家事も担当して、夫が帰ってくるまでに食事を準備して待っているわけで。

やっぱり今の自分には現実味がないなと思ってしまう。

鍵を開けて自分の家に入ると、当たり前だけどそこには待っている人もいなければ、部屋の電気さえ灯っていない。


例えば、千鶴なんかだとそこは両立できるんだと思う。

千鶴はやっぱり管理栄養士って肩書きがあるだけに、料理もめちゃくちゃ手際よく彩りよく仕上げる。

結婚前だけど、飲んで家に泊まった時には小腹が空いたけどこってりラーメンは食べられないと我が儘をいう私に「じゃ、ちゃんぽんでも作ろうか」とあっという間に作ってくれた。

ちゃんぽんですよ?私なんて生まれてこの方作ろうと思ったこともないよ。

作り方だって想像すらできない。

しかもあの人、ナントカの素みたいなのは一切使わないからね。あれは味が濃くなるからとかなんとか言って、なんでも基本の調味料から作れるからね。

< 40 / 365 >

この作品をシェア

pagetop