だから、恋なんて。
「私のほうが五つも年上だよ?そんなわけないよ」
そう言いながらもよく榊に私生活を突っ込まれるような気がするのを思い出す。
あれをSだからそうなのかと言われると、よくわからない。
「あら~、これは結構躾けられちゃってるんじゃないの?」
「そうですね~、こうやって気づかないのもSМの関係性ができてるからじゃないです?」
二人のからかう言葉に違うと言いかけて、少し考える。
青見先生が夢にでてくると話をしてから、榊にはやたらと先生とのことを弄られている気がするけど…。
あれからさすがに行動がぎこちなくて、この間の夜勤中、榊に理由を問い詰められた。
いまいち理由もわからないし、腕をつかまれただけでその後は特になにもないため、わざわざ言うようなこともないと思ったんだけど。
巧みな榊の誘導にあっさり口を割ってしまって、洗いざらい喋らされてしまった。
まぁ、洗いざらいといっても厚みもなにもない話なんだけどさ。