だから、恋なんて。

「どしたー?結構酔ってる?」

自分のほうが数倍酔っ払ってるくせに、私をのぞき込む千鶴の顔が目の前に迫って我に返る。

「うん、結構キたみたい。明日オフで良かったわ」

「でたっ!シフト制の強み。羨ましいな~、ね?」

「あ、すみません。私もこの間の休日待機分の代休です」

「えっ?うそ。なに、なに?じゃあ明日仕事なの私だけー?ひどいっ!」

「ひどいも何も…。私と雫は、千鶴が休みの間に働いてたってだけでしょ?」

「そうですよ。私、この間はフル活動だったんですから」

「あ~!なんだか急に眠くなってきたわ。お会計!お会計しよ!」

自分だけ仕事だと分かると、さっさと帰り支度を始める千鶴の声で傍に控えていたギャルソンが近づいてきて千鶴に耳打ちする。

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