だから、恋なんて。
夜勤明けで寝るときは、携帯も勿論サイレントだしまず寝室には持ってこない。
次の日はオフだし、心置きなくぐっすり寝られるようにチャイムの音も最小にしてある。
でもやっぱり、一晩中聞いていたモニターのアラームや小さな信号音のせいか、普通じゃ絶対目が覚めない音量でもこうやって起きちゃったりするわけで。
-ピンポン、ピンポン、ピンッポン
「あー、はいはい、起きますってば」
何時間寝たのかわからないけど、なんだか損した気分でのろのろと起き上がる。
ぼんやりとした頭と重い体を引きずって、玄関チャイムの対応をする。
「…はい」
「あ、やっと出たな」
「…千鶴?」
「そうそう、早く開けてよ」
「うん」