イナズマ
迷っていると。


海翔のくしゃみが聞えた。


本物のくしゃみではなく。なんか演技しているようなくしゃみ。


しかもご丁寧に、

「はっくしょんしょた」

と俺の名前を言った。
しょたは、颯太という名の俺への呼びかけだろう。


もう、俺は振り向くしかなかった。




俺は振り向いた。


だって、すでにペアになっている奴は、女子の顔も見ることができるわけだから。
怜奈以外ではないことは確かだ。



あからさまな、ずるいやり方だけれども、誰も文句を言わなかった。






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