イナズマ
「助かった。ありがとう」


先生は、玄関のドアの前に立って俺にお礼をいう。


俺は、黙って先生に掌をつきだす。

「うん?」



俺は黙って、その手のひらをもう一度付きだす。


「うん?何?ハイタッチ?」



なぜ、先生の玄関で俺らは、ハイタッチしなきゃいけないんだよ。

「ハイタッチは、こうだろ?」

俺は、手を軽くあげる。



「じゃあ、何?」

「ちょうだい」


俺は、また、先生の胸に掌を突き出した。


「だから、何を?」


「合いカギ」
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