空色ホイッスル



両チームとも「今日だけは負けられない」という気持ちが



ピッチからちょっと離れたベンチにいてもひしひしと伝わってくる。



相手とのボールの競り合いで転んでもすぐに立ち上がったり



相手が自分の予想した方向にボールを味方にパスをするだろうと思った方向と逆の方にボールを回されて振られて悔しそうな表情を浮かべたり。



止まらない汗をユニフォームの袖で拭ったり



きっとピッチの中にいる選手達は外にいる私達には分からないくらい闘志を燃やしてるんだと思う。



そして、うちの学校は蒼井高校から1点も取れないまま前半戦終了を告げるホイッスルが会場中に鳴り響いた。



その合図でピッチの中で走り回っていた選手たちが走っていた足を止め、ベンチに帰ってきた。



私は、すぐにレギュラーのみんなに少しでも休んでもらえるように、タオルと給水を急いで配り始めた。




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