空色ホイッスル



だから彼のことはマークする必要はない。



他の選手達と同じように見てればそれでいい。



むしろ、前半の時よりも攻めて攻めて点数を取ること、勝つことだけを考えていけ。



アイツにゴールを決められたら、取り返せばいい。まずは一点、お前たちでどうにかしてこい!」



「「はい!」」先生もみんなも勝ちたい気持ちは変わらない。



1点取られたって、みんなでボールを繋げていけば後半の35分で取り返せる。



大丈夫、私たちはまだまだ戦える!!



ピーっとハーフタイム終了のホイッスルが鳴った。



それと同時に選手たちは部長の「行くぞ!」という大きな言葉に「おーっ!」と気合を入れ直してまたピッチに駆け足で戻って行った。



観客席からも「こっからだー!!」「咲坂ファイト―!」と大きな声で選手達を送り出していて、



その声は相手の蒼井高校の応援をかき消すくらい大きいように私には聞こえた。



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