空色ホイッスル



そして電車の中で私の最寄駅に到着するアナウンスが流れた。



「高校生になってから一ノ瀬くんは人一倍努力をしたから、今の一ノ瀬くんがいるんだね。



すごく尊敬する!話してくれてありがとう!



一ノ瀬くんの話を聞いてもっと私も頑張らなくちゃ!って思ったよ」



こんな粘って聞いて、やっと教えてもらったレアな一ノ瀬くんのポジションの話は誰にもしない。



数少ない知ってる人に自分がなれたんだから。



少しは一ノ瀬くんにとって私も信用できる人になれたかな?



「いやいや、そんな大した話じゃないよ。



でも俺も真剣に聞いてくれて嬉しかった。ありがとな」



一ノ瀬くんは笑顔で“ありがとな”と言ってくれた。



< 336 / 450 >

この作品をシェア

pagetop