君の存在が笑顔になる
マンションの下でお母さんたちが待っていた。


「桜香!何でよ?…良かった-。本当に良かった。無事で…」


お母さんは私を抱きしめて泣いた。

お母さんの涙を見て、私は家出したことを後悔した。


「千太郎!バカ!」


「イテッ!」


千太郎は千太郎のお母さんからゲンコツをもらっていた。

でも、ゲンコツした後に千太郎を抱きしめていた。 

「ごめんなさい…」


私たちはお母さんの腕の中で謝った。


私と千太郎は親を心配させることは悲しいことなんだと初めて知った。

そして、もう二度と悲しませたくないと思った。
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