君の存在が笑顔になる
「そう…。俺さ、一度は断ったんだよ。由奈のこと、好きではなかったから。でも、好きな人がいないと言ったら、だったら好きになってと言われて…付き合ったら、好きになるのかもしれないと思って、オーケーした。由奈がかわいかったのもあるけど」


最後は照れるように言った。

自分で聞いたくせに私は落ち込む。


「桜香?おーい、桜香?聞いてる?」


「あ、ごめん。聞いてるよ。今では彼女のこと、ちゃんと好きなの?」


答えを聞きたくない。


「うん、好きだよ」


それは私よりも?

なんて、聞けない。

「そう。あたしも彼氏が欲しいなー」


「だからと言って、無理に付き合うことはするなよ。好きな人がいるなら、尚更だよ」


< 54 / 256 >

この作品をシェア

pagetop