君の存在が笑顔になる
好きな人がいたって、その人に彼女がいたら…どうすることも出来ない。


千太郎との電話を切って、5分後に入江くんから電話がきた。


電話で話すのは初めてだから緊張する。


「なんか緊張するな」


「クスッ、あたしも同じことを思ってた」


「おー、気が合うな」


「えー、誰でも緊張するでしょ?」


ふざけた話で笑っているうちに緊張がほぐれる。


「で、答え出た?返事聞かせて」


「ごめんね、入江くんと付き合えない」


「何で?」


「好きな人がいるから」


「そっか。返事聞かせてくれてありがとう…」


「うん、ごめんね…」


こうして、私は千太郎に片思いを続けることを選んだ。

実らなくても想う気持ちを大事にした。
< 55 / 256 >

この作品をシェア

pagetop