山神様にお願い


 龍さーん!!やめてーえ!!そう聞こえる声が笑ってるから、きっとそうだろう。

「帰れねえだろうがよ!いきなり消えて寝るの止めろよお前!オラ、オラオラオラ!」

「あははははははは!」

 ・・・・何でしょうか、あの人たち。私は呆れて重いため息を吐く。

 ウマ君が見上げて、苦笑した。

「しばらくダメですね。いつ帰れるんだろ」

 そう言って、よっこらせ、と若者らしからぬ言葉と共に椅子に座る。そして私を見上げた。

「彼氏さんは、まだ就活中なんですか?」

「え?あ、はい」

 さっき、そう言ってたなと思って。と小さな声で言って、ウマ君は地面を見る。

「・・・やっぱり、就活と恋愛は両立できないっすかね・・・」

 呟いた声に思わず彼をじっと見る。私はウマ君の隣で椅子に座らずにしゃがみ込んだ。

「・・・ウマ君、彼女いるの?」

「はい」

「うまくいってないの?」

 見上げると、照れた顔で笑った。


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