ずっと見たかった色
深海


深く深く
何処までも
沈んで

深く深く
何処までも
堕ちてしまおうと
思ったのです


ゆらゆら
漂って

ゆらゆら
揺らめいて

そうすれば
いつの間にか
忘れられると
思ったのです


目を閉じて
耳を閉ざして

そうすれば
いつの間にか
わたしにも
終わりが来ると
思ったのです


なのに
それなのに
忘れられないのです

どんなに
時が過ぎ去っても
忘れさせてはくれないのです


嗚呼、
海深く
この身を沈めても
決して
諦めさせてはくれないのですね



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