失望巡りて世界は廻る
「【失望】があるから世界は廻る。【失望】があってこそ、世界は懸命に向上するのだ」


「僕が、いるから……?」


「もしそれでも『消えたい』と君が乞うのなら、泣き虫な君を『否定』しよう。

君にはきっと、笑顔が似合うだろうから」


そう言って左手で拭われた涙と、すこしだけ触れた温かさにまた、4番目は雫を落とす。



「……でも、僕は忘れちゃうよ。そうしてまた、僕は世界に【失望】する」


「それでいい。それがいい。それが君の在り方ならば。

誰も【失望】(君)を、『否定』しない」



右手も左手も離され、名残惜しく思うも頭にぽんと置かれた右手の温もりに、またうっすらと涙が溜まる。

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