俺ら参上ッッ!!


「これより、騎馬戦を行います――」


……恋一の出番まであと少し。

私と玖白と美沙で恋一のことを客席から応援していた。
私はあの言葉を思い出していた。

「騎馬戦で1位とったら…俺と1日デートしてくれ」

正直、気持ちなんてわからない。
恋なんてあんまりしたことないから…


パン!


騎馬戦が始まった。


「恋一!
負けは許さないからな!」

「恋一頑張れ!!」


二人は必死に恋一を応援していた。
だけど私は応援できないでいた。


「おいひかり」

「は、はい!?」


いきなり玖白に話しかけられてびっくりした。


「お前は…どっちを応援するんだ」

「……」

「どっちが…好きなんだ」


玖白には全部見透かされてたんだね…

ついに恋一と九条くんのチームだけになっていた。


「よ、よくここまできたな…九条!」

「お、お前もな…宮内!」


二人は必死に帽子を奪い合ってる。

私は…
私は…!


「こ、恋一!
がんばれー!!!!!!!」


大声でそう叫んだ。
私は…恋一が好き。


「おう!
やっとひかりの応援頂きましたー!!」


そう言って恋一は追い込みをかけた。


「お前の負けだ九条!」

「くっ!」


ピピーっ


恋一が九条くんの帽子を取って、騎馬戦は終わった。










――……


恋一に校舎裏に呼ばれて、私は校舎裏にいた。

どうしたんだろ…??

恋一を待っていると、恋一が歩いて…九条くんときた。

な、なんで九条くん!?


「よ、海野」

「う、うん」


頭が混乱しながらも、私は九条くんが目の前にいることに驚いていた。


「ひかりに話があるんだとよ」


恋一は笑ってそう言った。


「話…??」

「あぁ…
海野、中学ん時は悪かった!!」


九条くんは私に頭を下げた。


「うん、気にしてないよ」

「あと…お前がこの学校に入ったの知らなかったなんて嘘だ。
俺はずっと…中学ん時から今も…お前のこと好きだ」

「へっ…」


一瞬九条くんが何を言ってるのかわからなかった。

でも…


「…ありがとう九条くん
私も…好きだったよ
でもね」


私は恋一の腕に自分の腕を絡ませた。


「私恋一が好きなんだ!
だから…九条くんの気持ちには応えられない!」

「おう…知ってる!」


九条くんは笑って言った。


「それじゃあな。
宮内、海野を幸せにしろよ!」

「あぁ、もちろん!」

「海野、俺諦めないからな!」

「「え?」」


私と恋一の声が重なった。


「そいじゃ!」


それだけ言って九条くんは去って行った。


「……とんだライバルが現れちまったぜ」

「あはは…」

「つかアイツ、負けたらひかりに近づかねーって言ったのによー!」


ま、まぁ…これで…良かったのかな?


「お、おいひかり!
そういやお前…オレのこと好きってほんとか…??」

「し、知らないっ!//」

「はぐらかすなー!!」






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