俺ら参上ッッ!!
*玖白side*
「ハァ…ハァ…
ひかりどこにいるんだ…?」
俺はなんとか秋斗さんと龍進さんのもとから脱出して、いつの間にかいないひかりを探していた。
「あいつ…どこ行ったんだ…」
走って探していたら、ひかりがいた。
「見つけた…!
おい、ひか……っ!!」
近寄ろうとしたら、ひかりは…恋一とキスしていた。
なんだ…
あいつらが付き合ってんの知ってるし…
キスなんて普通なのに…
俺はひどく胸がズキズキした。
俺やっぱり…ひかりが好きだ。
気持ち伝えて…キッパリ諦めたい。
恋一は運よくトイレに行った。
その隙にひかりへ近づいた。
「ひかり…」
「あ、玖白!
ごめんね…秋斗と龍進が迷惑かけちゃって…」
「あ、いや…いんだ。
それよりひかり…俺の話を聞いてくれないか?」
「なに??」
ひかりはキョトンとした顔をしていた。
俺はほんとに気持ち伝えていいのか…
ひかりを困らせるよな…
でも!
俺は決心した。
「ひかり…俺…」
「ん?どうしたの?」
「俺…お前のこと…す」
気持ちを言おうとした時、花火の大きい音にかき消されてしまった。
「え?
よく聞こえなかった!」
「いや…なんでもない」
気持ちは言えなかったけど、なぜか心はスッキリしていた。
これで俺は…素直にお前を見守ってやれるよ
「なぁひかり、これ覚えてるか?」
そう言って、首につけている昔ひかりからもらったネックレスを見せた。
「そ、それ…私が小さい頃に仲良かった男の子にあげた…!!」
「そう。
あれ…俺だ」
「く、玖白だったの!?」
ひかりはすごくびっくりした表情をしていた。
まぁ、そりゃそうだ。
10年も前だからな。
「懐かしい…
まだ持っててくれたんだ…」
「当たり前。
これ俺のお守りだから」
そう言うと、ひかりは少し顔を赤くした。
相変わらず変わってないな…あの頃から。
「絶対戻って来るって言ったろ?」
「うん…!
また会えて嬉しい!!」
「ははっ、今さらだけどな?」
「確かに!!」
俺達は笑い合って、昔話をした。
これから俺とひかりは…いい“友達”になれるといいな。
「悪ぃ!遅くな……玖白!?
なんでここにいんの!?」
恋一がトイレから戻ってきた。
「遅いぞ恋一。
ひかりを一人にするとは、いい度胸だな」
「あ…悪ぃひかり」
「いんだよ!玖白が来てくれたし!」
ひかりがそう言うと、恋一は複雑そうな顔をした。
「やっぱりひかりは俺が守らないとな」
「ち、ちげぇ!
オレだっつの!」
恋一は意地になって、ひかりを引き寄せた。
「はいはい、知ってるよ」
「玖白、お前はひかりより…アイツのことの方が守ってやらなきゃいけねーんじゃねーの?」
「は…??」
恋一の指差す方向を見たら…
「うわーん!
玖白ぉぉお!!」
「ど、どうしたんだよ!?」
美沙がぼろぼろ泣いて俺に向かって歩いてきた。
「うっ…ヒック……」
「と、とりあえず場所移すぞ」
俺は美沙を連れて人気のないところを探した。