武士道セブンティーン!!

取りあえず、スポーツバックなどを肩に引っ提げ、ライトを頼りに歩き出す。

右も左も分からないが、取りあえず闇雲にでも歩くに限る。

すると運良く、どこか開けた場所に出られた。


ラッキー…何て思ったのもつかの間。すぐにその異常に気付いた。

(……真っ暗)

明かりが全くないのだ。

林の中ならまだしも、こんな開けた場所に電灯ひとつないなんておかしすぎる。

それに━━。

「何これ……長屋?」

暗いからハッキリとは分からないが、低い建物ばっかりなのだ。これはおかしい。

「何、停電でもしてんの?……就寝には早いんじゃないかなー…」

笑おうにも顔が引きつる。

何か考えたくないが嫌な予感がする。
いや、マジない。ないないない。ないって。

移動しようとした時、どこかから微かに話し声と足音が聞こえた。

咄嗟に物陰に隠れる。体が勝手に動いた。本能だ。

< 10 / 337 >

この作品をシェア

pagetop