武士道セブンティーン!!


「隊士になったからにはちゃんと働いてもらう」

「今までも働いてましたけど。雑用係として」

「まぁ、今までと何ら変わりねぇがな。
ただの小姓が “隊士兼小姓” になっただけだ」

「それ余計に仕事が増えるんじゃ………」

「今までの小姓の仕事に、幹部補佐、そして…………」

「宮本君には、二番隊の組に入ってもらおうと思う」


土方の言葉を引き継いで、近藤が言った。


「二番隊?」

「ああ、宮本君は知らないのか。この浪士組は、一番から十番までの組で出来ていてな。
その組で巡察…………京の町の見廻りに行く者達を決めているんだ」

「まぁ巡察だけが目的じゃねぇけどな」


つまり、1から10の組が、日替わり時間ごとに警備をする、てこと?


「お前は二番隊だ。ちなみに永倉の組だから」

「げぇっ。カンベン」

「こっちの台詞だっ」


嫌そうな顔をしたあたしに永倉が怒る。


「えぇー……。土方さぁん、何で永倉さんの隊なんですかぁ」


一緒に稽古したかったのになぁ。

残念そうに呟いた沖田の言葉に背筋が凍る。


そうだった。朝稽古とか、昼の稽古とかは、組ごとにしてるんだっけ。

一番隊の隊士達の、稽古後の姿を思い出して、いささか血の気が引いた。


(総司くんの組じゃなくて良かった……)

こればかりは土方に感謝しよう。おかげで首が繋がった。


「こんな刀をニセモンだと思い鷲掴みにした
女に、第一線で斬り合いなんか出来る訳ねぇだろう。
腕だけはある様だから、一応の配属にしただけだ」

「斬り合いが出来るか試してやろうか?お前の身体で」


あたしの感謝を返せ!




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