二重人格神様~金と碧の王~


そんな時、背後から近づく足音が聞こえた。グレンさんのもとだとわかった。


分かったけれど、逃げることも振り返ることも出来なく、ただ、涙を流せば、細長い指が肩にふれそのまま顎を掴まれれば顔だけが振り向かされ綺麗な金色の瞳が見えた。


涙で滲んでいるはずなのに、その瞳だけはハッキリとみえ、そのまま私の髪の毛を掴みキスをされた。


「…え」


顎を掴まれたのだから、唇にキスをされると思ったのに、予想外の場所に唖然すれば、グレンさんは私から離れ、散らばった資料を拾いそれを胸に抱え"行くぞ"と呟かれた。


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