二重人格神様~金と碧の王~



「え、なにしてるんだよ…お前ら」


「そんなことはいいから、部屋を貸してくれ。彼女の体調が悪い」


金色の瞳で呉羽さんを見つめれば、呉羽さんは一瞬、黙りこみ、"へぇー"と唸りながら脚を組み、頬杖をつく。



「お前、グレンか。久しぶりだな」


「久しぶり?この前来ただろ。まぁ、俺は会ってないが…って、そんなことより部屋を貸してくれ」


「あぁ、いいよ。空いてる部屋は有り余ってる。それより、なに?海鈴の愛しの花嫁はどうしたんだ?」


「あ…それ、は、そのっ」

「お前が気にすることじゃない。体調が悪いだけだ。初めての夜会で疲れたんだろ」


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