二重人格神様~金と碧の王~
「あ…」
もう、こんなところにおくから…。広い鍵をポッケトにしまい、再度本に手を伸ばした時。
「…え」
急に伸びて来た手が本を押さえ阻止されてしまう。
だ、だれ?なんて、思うのは愚問だ。背中から感じる気配でわかった。
「海鈴…さん?」
振り向けば、そこには青い瞳の海鈴さんがいる。
「いのり、久しぶり」
穏やかな笑顔は、いつもの海鈴さんだ。雰囲気も表情も、私を見つめる瞳。
嬉しいとは、そんな事を思う暇などなかった。引き寄せられるように私は海鈴さんに抱き付き胸元に顔を埋める。
「え…い、いのり?」
「会いたかった」
そう、言葉を口にしたら色々な感情がこみあげ涙が零れる。背中に手をまわし、しがみつくわたしを海鈴さんは抱きしめ返した。
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