二重人格神様~金と碧の王~


「みんな、面白い!」

皆の笑いが広がり、それに吊られるように笑いが止まらない。


「で、でも、取りあえず喧嘩の方はすぐに仲直りできますよ」


「うん…そうかな」


「そうですよ。その内…って、あ、ほら、いのり様!噂をすれば」


「え?」


耳うちされ、指をさす方をみればそこには走ったのか息を乱だし立ち止まるグレンさんの姿があった。


「え…」


グレンさん?私を見つめ、視線をそらす腰に手をあてるその顔は少し不機嫌な感じがした。


なんで、こんなところに…?グレンさんを見つめていれば、その視線を私に突如として向け歩いてくる。


とんでもない、威圧感だ。背筋が凍るような雰囲気にそこにいるのもは、皆固まって動けない。



ま、また何か文句を言ってくるつもり?追いかけて来てまで言いたいことがあるの?



目の前に来られ、緊張した。見下げられているのが分かる。視線を外し、そのままアレスに助けを求めるが私と視線を合わせようとしない。


アレスはこう言う時、たまに私をうらぎる。頭がいいのだ。



「あの、な、なにか?」


視線にこらえられなくなり、私は小さな声で問う。すると、グレンさんも口を開く。



「いいか?この言葉は二度と、一生言わない。だから、そのバカな脳裏に焼き付けておけ」


「え…?」


目を合わせると、グレンさんは一瞬息をのみ、言う。


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