二重人格神様~金と碧の王~

覚醒


***


それからと言うもの、私はずっとお父さんに言われたことを考えた。


勿論、考えても答えはみつからない。離れるなんて事は嫌だし、海鈴さんがいなくなってしまうもの嫌だから。


毎日、毎日…眠りにつく海鈴さんのもとで考えること、三日が過ぎた頃だった。

「そう、なんだ…」


「はい。いのり様と海鈴様を残して行くのは、忍びないのですが…」


いつも通り、部屋にいるとそこにアレスが訪れたのだった。なにかと思い聞くと、今夜、どうやら夜会に行くとのこと。

以前とは違う界で、違う夜会が急遽開かれることになり、アレスとフェイランさんは行かなければならないらしい。


海鈴さんはこんな状況ではいけない。でも、行かなければ他界の神様に怪しまれる。それはこの世界的にもよくないみたいで、このような結論に至ったとの報告だった。


「ルーテル様達の動きも今の所はないですが、いつ動きだすか、わかりません。ですので、お傍でお守りしたいです。でも、行かない事になると、王として他の神にしめしがつきません」


「…うん」

そう、だよね。なんとなく、言っている事の重要性はわかる。

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