二重人格神様~金と碧の王~


「冷たい事を言うな。最愛の娘にあんな事を言ってしまったんだ。心情を考えると、とても心が痛い」


「それは言わなければならない事だったのです。神の始祖たるシャカ様の娘と言う事実は変えられません。そして、彼女が愛してしまったのが、海鈴様…運命とはそういうものです」


その言葉にシャカは真面目な顔つきで再び前をむく。そして、何かを思いだすように空を見上げた。


「そうだな。私が彼女と出会い、あの決断をしたことも全て運命だ」

「それなら、いのり様が選ぶ道も、また運命です」

「そうだね…」


その台詞に、シャカは笑う。そして、口をひらく。

「いのり、キミはどの道を選ぶのだろうね。どっちに転んでも、それは辛いだろう。それでも、私はその答えを待つよ。それがキミの運命だから」



「…はい。それが正しい判断かと」

「そうだな…だけど、やはり心配だ」


ガクッと男は身体を揺らし、とても大きくわざと聞えるようにため息をはく。


「それなら、様子でも見て来てはいかがですか?気配を消すのはお得意でしょう」


男の提案にシャカは笑顔で振り向き、ポンと手をたたく。


「それは、いい考えだ!では、行こう!お前もついてくるか?久しぶりに、ヤツに会いたいだろう?」

「…え?」

「うん。それが、いい。さて、そう決まれば急ぐぞ」


男をおいて走るシャカ。その背中を見つめ男は何度目かのため息をはいた。


「まったく…誰よりも長生きしているくせに…子供なんですから…」


そうつぶやき、男はシャカの後を追った。













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