二重人格神様~金と碧の王~


「どうして…どうして、私を選んでくれないの?私は、小さい頃からずっと海鈴様を見てきたのに…花嫁になるため、努力だって沢山したのに…」

「そうだね。でも、僕はいのりと出会ってしまった。彼女以外はもう…考えられないんだ」

ギュウとまた肩に力がはいった。海鈴さん…こんな状況なのに嬉しいと感じてしまうのはとても不謹慎。でも、嬉しい。


「そんなの、おかしいですわ…だって、ただの人間じゃないですか?美人でもない、特別な力があるわけでもない、寿命だって短い、それに…人間は、過去に私たち神を蔑んできたんですよ?その王である海鈴様が…人間と、だなんて…」


考えられない。そう、頭をかかえ涙を流すルーテルさんに、海鈴さんは容赦なく言い放つ。

「そうだね。でも、いのりはキミにないものを持っている」


「…ない、もの?それは、なんですの?」


「さっき、キミが言ったような事を、いのりは言わないよ。それが、キミにないもの」


「海鈴さん…」


それは、少し言い過ぎだよ。涙を流すルーテルさんに少し胸が痛む。好きな人に、そんな事を言われたら私だって、かなしい。


振り返り、海鈴さんの瞳を見つめ私は首をふる。「もういいから」その意味が伝わったのだろう。私から、ばつが悪そうに顔をそらす。


「そう…ですか…わかり、ましたわ。それは、貴方様の中も、同じ気持ちなんですね?」


「そうだよ。グレンも、僕と同じくらい…いのりを大切に思っている」


「……」


「もういいかい?部屋に戻るよ」

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