二重人格神様~金と碧の王~
どういう事だろうか。もしかして、あの事を知っているの?お父さんと話したことを…?
不安がよぎった。もし、ルーテルさんがなんらかの事情であの事を知っているとしたら、まずい。
でも、待って、そんなはずはない。だって、さっき私の事を人間って言っていた。
動揺し、視線をさ迷わせる私の顎を掴み視線が絡んだ。
「なんですの?その、意味がわからないって顔。あなたが、グレン様とも仲良くしたから、海鈴様の存在が薄れてきているのよ。私が知らないとでも思っていまして?!彼の事、愛しているんだから!」
「…あ」
「今の、普段の海鈴様なら、避けられたわ。でも、それが出来ないほど、弱ってきている。こうなったのも、私を選んでくれないのも全部、あなたのせいよ!」
「る、ルーテルさ…きゃ!」
伸ばした手で私の髪の毛を掴み、乱暴に振り上げる。
「あなたなんて、いなければ良かったのよ…」
「ル、ルーテルさん…や、やめて」
「そう、いなければ…全部、全部、わたしのもの…海鈴様も、地位も名誉も…ぜん、ぶ…」
掴んでいた手を離し、私を床に投げつけると、薄ら笑顔を浮かべ目の前に立つ。
上品に腰をおろし、細長い指で私の頬にふれる。
「だから、わたし…考えましたの。一番良い方法を」
「…ど、どういう、こと、ですか?」
嫌な予感がする。この笑顔…とても恐い。
何を考えているんだろうか。わたしが息をのむ小音がやけに大きく響く。手のひらに汗が滲み、彼女を見上げればその唇が動く。
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