二重人格神様~金と碧の王~



海鈴さんを、傷つけるとわかっていても…勘違いをされたくない。私が好きなのは、海鈴さんだって。


胸がギュウと締め付けられながらも、彼に訴えれば、海鈴さんはそのままそっと、私を抱き締め首筋に顔を埋める。


「え…海鈴さん?」


「そうか、だから、僕は知らなかったんだ…昨日から、様子がおかしかったのはこれが原因か」


「ごめん…な、さい」


「妬ける、物凄く」

「え?」


「僕がしたんだけど、僕じゃなくて…アイツが…いのりに触ったと思うと、腹が立つ」


「か…かいっ」


その瞬間、首筋に痛みが走るのと同時に服がスッと脱がされ足元に落ち、下着の金具に海鈴さんの手が触れたのがわかった。


「あ、あのっ」


「この印、全部、僕のものだよ」


あの彼が付けた印の上から、次々に甘い痛みに襲われると、器用に外された下着も床に落ち、ドキドキと鼓動をくり返す心臓を掴まれ、身体が熱くなる。


どうかなるかと、思った。触れている主が海鈴さんだと、こんなにも、違うだなんて。


嫌悪感だけだったのに、優しい手と唇の感覚に頭が真っ白になりそうになると、海鈴さんは胸元から顔を離し、私の唇を舐め色っぽい瞳で真っ直ぐみる。


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