[完]バスケ王子に恋をして。
「誰が大馬鹿だって?」

その声はすぐにわかった。

昨日私が好きになった人……

「なんで教えんだよ」

春樹を睨む咲羅。

「お前が教えればよかっただろ?」
「昨日からあんたとは喋んないって言っただろーが」
「別に教えるくらいいいだろ」
「つか、なんでわざわざ奈未に言うんだよ?」
「奈未がどういう関係?って聞いてきたから答えてやっただけ」

自分の席に座る春樹。

そして私と目が合った。

私は自分でも顔が熱くなるのがわかった。

「おはよ」

ドキドキが止まんない……!!

もしかして……バレる……!?

「おはよ」

私は頑張って何もなかったかのように平然を保った。

「あんたもしかして……奈未を落とす気じゃないよね!?」

春樹の襟を持って威嚇する咲羅。

「ちょ、咲羅!?」

慌てて止めに入る。

「大丈夫だって。俺、落とす技術持ってねーし。奈未は俺なんかに落とされねーよ」

咲羅の手をそっと襟から降ろす春樹。

もう落とされてるんだけどなー……

「席着けー」

萩原先生の声でみんな席に着いてHRが始まった。
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