[完]バスケ王子に恋をして。
「……え?」

突然の言葉で頭がついてかない……。

「咲羅は妊娠していることを3日前気づいたそうだ……」

3日前って……私達が咲羅のうちに泊まった日……。

「相手はお付き合いしている人しか心当たりがないらしい……」

そんな……咲羅はそんなことを考えていたの……?

「今……咲羅の赤ちゃんは……?」
「まだ8週らしい……だからまだ本格的には本調子ではないだろう……」

咲羅……私全然そんなの気づかなかったよ……。

「咲羅に会っちゃダメですか?」
「まだ明日になるまでは誰共話したくないと言っているからな……」
「そうですか……」

私は社長が出るのを確認してある人に電話を掛けた。


<もしもし?>

変わらないその人の声に安心しながらも私は焦っていた。

「ごめん春樹!!今練習中だよね!!でもどうしても言わなきゃいけなくて……」

春樹は咲羅の幼なじみでもあるし、咲羅の親とも仲が良いし……それと海斗今一番近い人物だから私は春樹に電話を掛けた。

<今10分間の休憩取ってるから大丈夫だけど……どした?>
「実はね……」

私は春樹に咲羅のことを話した。

<マジか……>
「でも私どうしたらいいかわかんなくて……」
<大丈夫、奈未は何も悪くないから……自分を責めるなよ?>
「うん……でも咲羅が!!<でも今は誰にも会いたくないって言ってんだ……俺らは見守ることしかできないぞ……>

そっか……そうだよね……。

私達がどうこうやったって咲羅と海斗の問題なんだから……。

「そうだね……それと<海斗には言うな。だろ?マスコミにもバレないように気をつけるから>
「うん、ありがと……それと……私達咲羅がこんなんなのに会見していいのかな……」

咲羅がつらいのに……一人にして大丈夫だろうか……。

<でもそれはしょうがねーよ……会見をドタキャンする訳には行かないんだし……逆にドタキャンしたらNANAに影響が出るぞ?」

そんなのわかってるよ……

「でも!!<奈未、落ち着け……確かに咲羅のことが心配かもしれないけど咲羅も咲羅なりに考えているんだ……会見が終わったら会いに行こう……>


いつも春樹は冷静だ……私とは全然違って……

だからいつも安心できるんだな……

「わかった……ありがとね」
<あぁ、奈未もあんまり考え過ぎるなよ?>
「うん……また明日」

私は春樹との電話を切った。

私はそれから何も考えたくないのでそのまま眠ってしまった。
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