好きなんて言えないよ。
「ははっ。ありがとう」


ぶっきらぼうに言ったのになんで間々原君はそんな笑っているの?


紺野君の事で落ち込んでいたのが嘘なように私の心が穏やかになる。


すごいな、間々原君は。



と、その時


ピーンポーンパーンポーン


校内の放送が流れる音がした。



『1年2組〜!!!間々原真斗君〜。至急グランドに来てください〜!俺らの試合始まるぞ〜!』



あれっ…この放送の声って紺野君だよね??


ピーンポーンパーンポーン


「げっ!忘れてた…!逢瀬も体調が良くなったら見に来いな!これで頑張るから!」


私があげたハチマキを手に持ちながら間々原君は教室から出て行った。



「分かった!心配してくれてありがとう!」


間々原君に聞こえているか分からないけど私は大きな声で叫んだ。


間々原君のハチマキを私は見つめた。



後ろ側には大きな字で間々原真斗と書いてある。


そのハチマキを見つめていると…


「十和!!大丈夫!?」


恋梨ちゃんがすごい勢いで保健室に入って来た。


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